大麻取扱者免許の申請

思ふこと みなつきねとて 麻の葉を 切りに切りても祓へつるかな

後拾遺集 和泉式部

日本国内で適法に大麻の取り扱いを行うため、大麻草の栽培の規制に関する法律(昭和二十三年法律第百二十四号)、大麻取締法施行規則(昭和二十三年厚生省・農林省令第一号)、その他関連する法令を遵守し、毎年、都道府県知事に対して大麻取扱者の免許の申請を行います。

申請に際しては、個人の権利とプライバシーが十分に尊重され、大麻取扱者の免許の申請を行うことによって社会的な差別を受けないようにするとともに、各都道府県の薬事関連部署と積極的な意見交換を行い、大麻の免許を受ける者に不当な義務が課せられることがないよう組織的な活動を行います。
また、大麻の濫用による公衆衛生上の危害を防止するため、大麻を適切に管理する体制及び取扱手順を確立するとともに、大麻取扱規程をすべての組合員に周知し、その遵守徹底に努めます。

大麻草研究栽培者免許制度の概要

日本における大麻草の取り扱いは、2024年の法改正により大きく見直されました。これにより、大麻草はそのTHC(テトラヒドロカンナビノール)含有量に応じて明確に区別され、目的に応じて異なる免許制度が導入されました。大麻草を適法に取り扱うためには、栽培・使用・研究などの目的ごとに、所管官庁の異なる免許を取得する必要があります。

まず、大麻草の栽培に関しては、以下の3つの免許区分が整備されています。

  1. 第一種大麻草採取栽培者(THC 0.3%以下):繊維・種子など産業用途向け
  2. 第二種大麻草採取栽培者(THC制限なし):医薬品原料としての栽培に限定
  3. 大麻草研究栽培者:研究目的のTHC含有大麻草の栽培に限定(厚生労働大臣の許可)

一方で、栽培された大麻草を使用して成分を抽出したり、研究に用いたりする場合には、別途「麻薬研究者免許」が必要です。これは都道府県知事の所管で、大麻草に含まれるTHCなどの成分が「麻薬」に指定されたため、使用や保管には麻薬取締法に基づく厳格な管理が求められます。

つまり、研究目的でTHC含有の大麻草を扱うには、以下の2つの免許が必要です。

  • 栽培:大麻草研究栽培者免許(厚労省)
  • 使用:麻薬研究者免許(都道府県)

これらの免許を取得するには、事前に綿密な準備が必要です。たとえば、大麻草研究栽培者免許を取得するには、研究目的や栽培計画、種子の入手先、使用場所の安全管理体制、保管庫や施錠設備などを含む施設の詳細図面などを添付した申請書を作成し、厚生労働省に提出します。

一方、麻薬研究者免許の申請には、研究者個人が申請者となり、対象とする麻薬物質の種類・数量、使用目的、保管体制、研究設備の構成などを詳細に記載した計画書を都道府県に提出する必要があります。

両免許の取得にあたっては、行政機関との十分な事前相談が不可欠であり、実績ある支援団体や法律専門家との連携も有効です。大麻研究組合では、組合員による大麻の適法な祭事利用を支援し、法令順守と社会的信頼性を大切にしながら、研究目的に適ったかたちで大麻草を取り扱うための仕組みを整えています。