はじめに

かにかくに人は言ふとも織り継がむ 我が機物の白麻衣

【大意】世の人はあれこれと言うかも知れませんが、それでも織り続けましょう。私たちの伝統文化であるこの穢れのない白い麻の衣を。

万葉集・1298 柿本人麻呂歌集

謝辞

大麻研究組合は、日本国内での安全な大麻の取り扱いのために、大麻草栽培者免許の申請、大麻の栽培、組合員間での譲り渡し等に関して適法な手続きと自主管理基準を定め、国法遵守の徹底を図るとともに、わが国における大麻の研究を推進することを目的として、平成二十八年十一月に設立されました。

組合の設立及びサイトの開設にあたっては、各方面にわたって本当に多くの皆様に多大なご支援を頂きました。

いまこの瞬間にも弛むことなく研究を続けている全国の組合員の皆様、プライバシーへの配慮からお名前を挙げることはできませんが、皆様のご尽力なしに本サイトが公開に至ることはありませんでした。

また、政府及び地方議会への請願や質問主意書の提出等にご協力頂いている議員の皆様、度重なる情報公開請求に辛抱強くご対応頂いている行政機関、地方自治体の職員の皆様、皆様お一人お一人の貢献に対して、ここに改めて感謝申し上げたいと思います。

私たちの思想・信条

私たちは、大麻を祭事に利用することは神と繋がる神聖なものであると信じます。

大麻は、天照大御神を慎み敬い拝むための大御璽(おおみしるし)として、古くから神事等にも用いられ、我が国の精神文化の形成にも大きな影響を及ぼしていることは言うまでもありません。
明治の御代、神宮神部署主事の當山春三氏は『吾々が大麻を拝受するということは我国民が天祖天照大神に対する絶対的崇拝の至誠の発露であること、その至誠は我国民性すなわち大和魂といい、武士道というものの本源である』と述べておられます。

朝夕に神前に立ち、神棚に手を合わすと清新な気持ちになるものです。私たち日本人が敬し奉る伊勢神宮のお札が神宮大麻と呼ばれているのはなぜでしょうか?私たちの聖典の一つ『皇大神宮大麻奉祀式』には以下のように書かれています。

凡世の人皆事々に觸れて私情の動かざるを得ず 而して他人未だ之を知らざるも天神は既に照覽ましまして此れを咎めたたまふ 故に常に念頭に發る所を慎み罪惡を除去せざるべからず 而して其の罪を拂徐するの神具之を大麻と云う

【現代語訳】
人はこの世に生きる限り、さまざまな出来事に触れるたびに、つい私心が動いてしまうものである。
たとえそのことを他人がまだ知らずとも、天の神々はすでにこれをご覧になっておられ、心の乱れや過ちを厳かに咎められるのである。ゆえに、日々の思いや言葉、行いのすべてにおいて、常に慎みをもって臨み、罪やけがれを取り除く努力を怠ってはならない。
そのような罪やけがれを祓い清めるために用いられる神聖な御神具こそが、「大麻」と呼ばれるものである。

皇大神宮大麻奉祀式

私たちの目指すもの

私たちは、責任ある社会構成員として、国法を遵守し、公正で良き市民でありたいと考えています。
誠実な事業活動を通じて、コンプライアンス、リスクマネジメントに真摯に取り組み、社会との共存を図ってゆくことを目指しています。
これらの活動を通じ、私たちは、「大麻草の責任ある合法規制のための20の原則」が提唱する、薬物使用者の健康と人権を保護し、社会正義を促進する、包括的かつ公平な規制枠組みの形成に貢献することを目指します。

公衆衛生の確保

大麻は公衆衛生上の危害を防止するため大麻草の栽培に関する法律によって取り扱いが規制されています。薬物の乱用は決して許されるべきではありません。一方で、日本の神道、インドのヒンドゥー教や中南米を中心としたラスタファリズム思想は、精神的なインスピレーションを得るために大麻を神聖なものとする深い歴史があります。宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければなりません(教育基本法15条)。

国法の遵守と安全管理措置

日本国内で適法に大麻の取り扱いを行うため、大麻草の栽培の規制に関する法律(昭和二十三年法律第百二十四号)、大麻取締法施行規則(昭和二十三年厚生省・農林省令第一号)、その他関連する法令を遵守し、毎年、都道府県知事に対して大麻取扱者の免許の申請を行います。

申請に際しては、個人の権利とプライバシーが十分に尊重され、大麻取扱者の免許の申請を行うことによって社会的な差別を受けないようにするとともに、各都道府県の薬事関連部署と積極的な意見交換を行い、大麻の免許を受ける者に不当な義務が課せられることがないよう組織的な活動を行います。
また、大麻の濫用による公衆衛生上の危害を防止するため、大麻を適切に管理する体制及び取扱手順を確立するとともに、大麻取扱規程をすべての組合員に周知し、その遵守徹底に努めます。

良質な国産大麻の安定的な供給

祭事に利用する良質な国産大麻の安定的な供給を図るため、組合員の共有による大麻栽培施設において、大麻の栽培で豊富な経験を有する専門家が、適切な栽培管理を行います。
品種の選定から播種、育成、収穫、乾燥、保管に至るまで、安全で衛生的な工程管理を徹底し、品質の均一性と信頼性を確保します。
また、各工程における記録と監査体制を整備し、透明性のある運営を通じて、社会からの理解と信頼を得ることに努めます。

組合の運営について

大麻研究組合は、民法上の「匿名組合契約」に基づいて運営されている任意団体です。
本組合は、組合員の共有による大麻栽培施設において、大麻の栽培で豊富な経験を有する専門家が、適切な栽培管理を行います。組合員は、その成果物の中から祭事の利用目的に必要な量の配分を受けることができるようにします。

組合員は出資者として組合の活動を支援しながら、業務執行や運営の責任は負わずに済むため、安心して参加することができます。個人や法人が出資し合い、特定の目的に向けて共同で事業を行う仕組みで、出資者(組合員)はその名前を公にせずに活動に参加することができます。そのため、大麻の規制に関する極端な偏見、社会的中傷や不当な差別を受けるリスクを減らすことができます。